
世界インフレの謎 (講談社現代新書)
渡辺努
講談社 / 2022-10-20
この本について
物価のニュースを見るたびに、「なんでこんなに上がってるのか、正直よくわからない…」というモヤモヤが自分にもありました。とくに、働き方や生活がここまで変わったのに、ニュースは表面的な説明ばかりで、本当の理由に手が届かない感じがしていました。 この本を読んで少し視界が開けたのは、インフレを“需要が強いから起こる”の一言で片づけないところです。パンデミックで働き手が戻らなくなったことで供給そのものが細り、サービスの価格が簡単には下がらない構造があって、さらには脱グローバル化で企業のコストがじわじわ上がっていく。自分が肌で感じていた変化が、それぞれ別々ではなく、一本の線でつながっていく感覚がありました。 また、中央銀行が金利を動かす裏側が「綿密な計画」ではなく、統計を見ながら泥縄式に判断せざるを得ない現実だったり、私たちが週は労働者、週末は消費者として振る舞うという当たり前の前提が需給バランスに影響していることなど、ニュースではまず触れられない視点が多く、読みながら自分の生活にそのまま重ねられました。 インフレを「なんとなく不安なもの」として放置してきた人ほど刺さる本だと思います。大げさではなく、いま起きていることの筋道を一度落ち着いて確認したいときに、ちょうどいい一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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