
1Q84―BOOK3〈10月-12月〉前編―(新潮文庫)
村上春樹
累計読者数4
平均ハイライト数 11件/人
star総合評価 44/100
start序盤集中型
この本について
最近、気持ちが落ち着かないまま日をまたいでしまうことが増えていませんか。仕事でも日常でも、自分の中にある小さな不安や願いが何なのかよくわからないまま動いていて、ふとした瞬間に「どっちの世界に足を置けばいいんだろう」と立ち止まってしまう。僕もよくそこで足が止まります。 『1Q84 BOOK3 前編』を読み返していて思うのは、この物語がその“揺らぎ”の感覚を無理に整理しようとせず、そのまま丁寧に扱ってくれることです。青豆が眠れず、二つの世界に引っ張られるような描写は、自分の中で矛盾する気持ちが同時に存在しているときの感覚にとても近い。光と影が必ずセットで存在するというくだりも、「どちらかを消すのではなく、共に抱えていくしかない」という現実的な視点をくれます。そして、自分の中の小さなものを守るために信じるものを選ぶ場面は、僕自身が何を手放し、何を残すかを考えるきっかけになりました。 物語自体は壮大なのに、読者の心の動きにはとても静かに寄り添ってくれる本です。自分の物語を抱えたまま進む重さを知っている人に刺さると思います。
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