
AI時代に生きる数学力の鍛え方―思考力を高める学びとは
芳沢 光雄
東洋経済新報社 / 2020-12-18
この本について
勉強でも仕事でも、説明を聞いた時は「わかった気」になったのに、いざ手を動かすと途端に迷う…そんなモヤモヤ、けっこう残り続きますよね。自分も数学に限らず、概念を理解したつもりで進んで、後から「あれ、これって何を比べる話だっけ?」と立ち止まることがよくあります。 この本が刺さるのは、そういう“わかったつもり”の正体を丁寧にほどいてくれるところです。たとえば割合の4つの表現が同じ意味を言っているのに、言い回しが変わるだけで混乱してしまう場面。あれって能力の問題ではなく、言葉や構造の捉え方が曖昧なまま進んでしまっているだけなんですよね。著者はその曖昧さを一枚ずつはがすように整理してくれるので、目の前の作業だけでなく、思考そのものが扱いやすくなっていきます。 もう一つ印象的だったのは、「わかりやすい」の意味がいつの間にか「理解しやすい」ではなく「やり方を覚えやすい」にすり替わっているという指摘です。自分も仕事で手順ばかり気にして、本質が抜け落ちる瞬間があるので、ちょっとドキッとしました。AI時代に必要なのは速さではなく、“何を比べ、何を根拠にするのか”を自分の言葉で扱える力だと、静かに納得させられます。 「知識はあるはずなのに、応用になると自信がなくなる人」には特に響くと思います。暗記から抜け出したい人にとって、地に足のついた支えになる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
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