
人類堆肥化計画
東 千茅
創元社 / 2020-10
この本について
ときどき、自分の生活が「きれいに整えられた世界」だけで回っているように感じて、どこか落ち着かなくなる瞬間があります。清潔さとか、正しさとか、上品さとか…それらを守っていれば安全だけど、自分の本当の実感から遠ざかっていく感じがある。生きているのに、どこか薄味というか。 『人類堆肥化計画』を読んで刺さったのは、その薄味の正体をズバッと暴いてくるところでした。共生はきれいな助け合いじゃなくて、互いの利己がぶつかりあって成り立っている関係だという視点。育てることと殺すことは切り離せず、清貧や「上品さ」へのこだわりがかえって世界とのつながりを貧しくしてしまうという指摘。そして、自分の身体も生活も、巨大な堆肥盛りの一部として循環しているだけだという開き直りのような自由さ。抽象的な生き方論ではなく、土や死骸や虫たちという具体的な存在に触れながら、生の実感を取り戻す感じに近いです。 生きることの矛盾や汚れを避けられないなら、いっそその中に飛び込んで、自分の感覚が動く方向に生きてみてもいいんじゃないか。そんな気分にさせられました。きれいごとよりも、生の手触りを取り戻したい人に刺さる本だと思います。
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ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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