
女性差別はどう作られてきたか (集英社新書)
中村敏子
集英社 / 2021-01-15
この本について
仕事でも家庭でも、「なんでこういう仕組みなんだろう」と思う場面が増えてきました。家事や育児の負担、名字の問題、選挙や制度の前提。そのどれもが“なんとなくそういうもの”として扱われていますが、理由を聞かれると自分でもうまく説明できない。そんなモヤモヤを抱えたまま日々を回している人、多いと思います。 この本は、今の社会の前提が“元からそうだったわけではない”ことを丁寧に解いていきます。たとえば、江戸の「家」が実は企業体で、家父長制とはかなり違う運営だったこと。あるいはホッブズが想定した夫婦関係には、女性が権力を保つ「パートナーシップ」という姿がありえたこと。そして近代国家が男性を国の構成員として組み込み、女性を公的領域から外したことで、名前・選挙権・家族の役割にまで歪みが生まれたこと。どれも「仕方ない」で片づけてきた現実の背景が、歴史として見えてきます。 読んでいて思ったのは、制度が変わったから私たちがこういう立場に置かれたのではなく、制度を作る側の都合が“当たり前”を積み重ねてきただけかもしれないということ。その視点を持てると、「自分の感じている息苦しさは個人の問題じゃない」と言えるようになります。そうなると、家庭での役割分担や仕事との両立など、日常の判断も少し違って見えてきます。 今の状況にうっすら違和感を抱えつつ、「でも理由がわからない」と感じている人に刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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