
オスマンvs.ヨーロッパ 〈トルコの脅威〉とは何だったのか (講談社学術文庫)
新井政美
講談社 / 2021-03-11
この本について
歴史を読んでいると、「当時の人たちはなぜこんな認識をしていたのか」「どうして互いを脅威だと決めつけてしまったのか」とモヤモヤすることがあります。現代でも、相手を“理解不能な存在”として片づけてしまう瞬間ってありますよね。そんなときに、この本の抜粋がやたら刺さる人は多いと思います。 ヨーロッパが宗派内部でさえ殺し合いを繰り返していた時代に、多宗教・多言語の共生を成り立たせていたオスマン帝国。その姿が、むしろ「脅威」に見えた可能性。あるいは、十字軍が“異教徒の脅威”と戦ったのではなく、自分たちの持つ差別の伝統を隣国に投影しただけかもしれないという視点。こうした指摘は、歴史の善悪を単純化するよりも、「人は不安なとき、相手に自分の問題を映しがち」という、今にも通じる話として読めます。 さらに、デヴシルメのような制度も、残酷/寛容の二択では測れない複雑さを持っていて、「当事者は何を見ていたのか」という想像力を強く揺さぶってきます。自分が抱えている思い込みや、相手へのレッテル貼りにハッとする瞬間がいくつもありました。 歴史の“固定イメージ”に違和感がある人に刺さる一冊です。自分と世界の見え方が少しだけ解けていくような読書でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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