
つながり過ぎた世界の先に (PHP新書)
マルクス・ガブリエル, 大野 和基, and 髙田 亜樹
PHP研究所 / 2021-03-16
この本について
他人の価値観や社会の空気に振り回されて、「これって本当に正しい選択なんだっけ?」と立ち止まる瞬間ってありますよね。効率とか経済合理性とか、聞き慣れた言葉に従っているはずなのに、どこかしっくりこない。自分の感覚と世界のスピードがズレているような、あの不安です。 『つながり過ぎた世界の先に』を読んで感じたのは、このズレの正体を“思想の軸”から説明してくれる珍しい本だということでした。例えば、山を削って30分早く着くことを「当然の効率」と思っていた自分に、本当にそうなのか?と問いを返してくる視点。倫理と経済は対立するものではなく、むしろ一致させる方向があり得るという指摘も、ニュースでは語られない角度で腑に落ちるところが多かったです。さらに「普遍的な倫理」と「ステレオタイプ思考」の違いを明確に描いてくれるので、異文化や他者との関わりで感じるモヤモヤにも整理がつきます。 この本は、派手な解決策を提示してくれるわけではありません。ただ、世界のスピードに置いていかれそうになる時に、自分の判断基準をどう作るか、その土台を静かに整えてくれる感覚があります。複雑な世界に対して“一度立ち止まって考え直したい人”には、かなり刺さると思います。 自分がどう生きるかを決める前に、世界の成り立ちをいったん見直したい。そんなときの相棒になる一冊でした。
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