
教師のNG思考
土居 正博
この本について
授業をしていると、「これって本当に子どものためになってるのかな…」と不意に立ち止まってしまうことがあります。形だけ整えて安心したり、周りに合わせることで余計に考えづらくなったり。私も若い頃は「めあては最初に提示するもの」という思い込みで頭が固まり、子どもの表情より手順ばかり見ていました。 『教師のNG思考』は、そういう“思考停止の瞬間”をそっと掘り起こしてくれる本でした。著者が繰り返し語るのは、正解探しではなく「これはうまくいかない」という視点を持つこと。禁じ手を知ると選択肢が逆に広がる感覚があって、無理に誰かの成功例をなぞらなくてもいいと思えるようになります。また、「揃えること」を目的化してしまう怖さや、形式だけ整えても子どもは本質的には聞いていない、という指摘は現場の実感と結びつきやすいと思います。特に、目の前の子どもを基準に考えるという姿勢が、極論に寄らないための支えになります。 周囲との関係や学校文化の中でしんどさを抱えつつ、「それでも自分の頭で考えたい」と思っている人に刺さる本だと思います。私自身、読んだ後は“なぜこの指導をするのか”を以前よりゆっくり考えるようになりました。悩みの根っこに手を伸ばしたいとき、静かに効いてくる一冊です。
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