
電柱鳥類学 スズメはどこに止まってる? (岩波科学ライブラリー)
三上 修
岩波書店 / 2020-11-25
この本について
仕事帰りにぼんやり電柱を見上げて、「なんでこんな構造なんだろう」と思ったまま流してしまうことってありませんか。理解したい気持ちはあるのに、専門用語に出会った瞬間にそっと引き返してしまうあの感じ。自分もそうでした。 この本は、そんな日常の小さな引っかかりを、無理なくほどいてくれる一冊です。たとえば、電柱の上段と下段で電線の役割がまったく違うことや、高圧と低圧の電気がどんな旅をして家庭に届いているのかが、散歩の目線で語られていきます。雷を受け止めるためだけの線や、田んぼの真ん中で黙々と支え続ける一本の電柱のたたずまいまで、背景を知ると景色の密度が急に変わるんですよね。そして著者が「わからないものはわからないまま受け取る時間も大事」と書いていて、肩の力が少し抜けました。理解が急に腑に落ちる瞬間って、たしかにあります。 読み終わる頃には、道端の電柱番号を確認するクセがついていて、いつもの道がちょっとしたフィールドワークになります。知識が増えるというより、世界の見え方がゆっくり更新されていくような読書体験でした。 身のまわりのものの「仕組み」を丁寧に知りたいけれど、専門書には踏み込みづらい人に静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの64%が集中しています。
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