
学者の暴走 (扶桑社BOOKS新書)
掛谷 英紀
この本について
研究や政策の「正しさ」みたいなものに触れるたび、どこまでが真剣な議論で、どこからがポジショントークなのか分からなくなることがあります。専門家の言葉ほど強そうに見えるのに、その裏にどんな動機や前提があるのかまでは、なかなか見えませんよね。僕自身、このあたりのモヤモヤを放置したまま仕事で数字や提案を扱っていて、ずっと落ち着きませんでした。 『学者の暴走』は、その「前提の見えにくさ」を丁寧にほどいてくれる本でした。たとえば、研究者の動機を三つに分けてしまう視点は、少し辛辣だけど妙に現実的で、自分が学術的な議論を読むときの姿勢が変わりました。また、科学の方法論を批判するには、そもそも科学そのものを理解しているかが問われるという話は、専門性と議論の線引きを見直すきっかけになります。さらに、政策や制度の責任の持ち方を「未来の視点」で整理する発想は、単なる批判ではなく、どうすれば議論が健全化するかを考えるヒントになりました。 専門家の言葉に振り回されやすい人、あるいは「本当はどこまで信用していいのか」を自分で判断したい人には刺さると思います。僕にとっては、知識の増強というより、議論との向き合い方を落ち着けてくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの13%が集中しています。
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