
子育て罰~「親子に冷たい日本」を変えるには~ (光文社新書)
末冨 芳 and 桜井 啓太
光文社 / 2021-07
この本について
子育てについて考えるとき、「なんでこんなに親だけが背負う形になってるんだろう」というモヤモヤが、ずっと頭の片隅にあります。忙しい職場で周囲に気を遣いながら早退をお願いするときや、教育費の話題になるたびに胸がざわつくとき、その感覚は強くなる気がします。自分が何かをサボっているわけでもないのに、どこかで“罰を受けている側”に立たされているようなあの感じです。 この本が面白いのは、そうした個人の努力ではどうにもならない負担が、実は社会全体の仕組みで再生産されていると丁寧に見せてくれるところです。親が疲れ切ってしまう背景にある「親負担ルール」や、残業前提の働き方、教育費を親が抱え込む構造など、普段は見えにくい前提をひとつずつ言語化してくれます。さらに、子どもが学校や家庭に囲い込まれて“大人と生活する仲間”ではなくなっていった歴史まで追っていくので、自分の悩みがどこから来ているのかが少し整理されます。責任を親だけに押しつけない視点を持てることで、罪悪感よりも「変えられる部分は社会にもある」という落ち着きに近い感覚が生まれる本でした。 周囲の働き方や制度に違和感を覚えている人、あるいは「自分だけが苦しいのでは」と感じやすい人には特に刺さると思います。自分の悩みを社会の文脈に置き直せると、ちょっと呼吸がしやすくなるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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