
評価と贈与の経済学
内田 樹, 岡田 斗司夫, and 藤田 功博
この本について
最近、「努力しても報われる気がしない」とか、「正解がどこにも見当たらないまま流行だけ追いかけている気がする」とか、そんなモヤモヤを抱えている人、多いと思います。僕自身も仕事で判断を迫られるたびに、何を基準に考えればいいのか迷うことが増えていて、この本を読んだときにようやく呼吸がしやすくなりました。 この本が効くのは、まず「努力と報酬が一直線につながる時代なんて元々ない」という当たり前を、変に煽らず静かに示してくれるところです。努力の計測方法も、価値の尺度も、一つではない。四半期の成果で全部判断される今の空気にしんどさを感じている人は、その視点だけでもだいぶラクになるはずです。 さらに、「成功は運であり、だからこそ回さないといけない」という話が妙に腑に落ちます。自己責任にも美談にも寄らず、人間関係をどう扱うかという現実的な重さがある。自分の周りで誰に何を返すのか、今の自分の立ち位置で考え直したくなるんですよね。 もう一つ、大きかったのは「イワシ化」の話。流行に寄りかかって判断を代行してもらう感覚、たしかに自分にもあるなとハッとします。じゃあ自分の判断の軸ってどこに置くんだろう、という問いが静かに残る。派手な答えはないけれど、その問いを持てるだけでだいぶ違うなと思いました。 流行よりも、自分の中に基準を持ちたい人に刺さる一冊です。
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