
サボる哲学 労働の未来から逃散せよ (NHK出版新書)
栗原 康
NHK出版 / 2021-07-12
この本について
仕事のことを考えると、自分を道具みたいに扱っている気がする瞬間ってありませんか。やる気を出さなきゃと自分を動員して、未来にポジティブでいようと無理に仕向けるあの感じ。気づけば「生きるため」じゃなく、「正常にふるまうため」に働いているような気もして、たまに立ち止まりたくなります。 『サボる哲学』は、そんなモヤモヤを力づくで整理してくれる本ではなくて、「そもそもその前提、おかしくない?」と問い直すきっかけをくれます。評価される世界の中に歓びごと包みこまれてしまう怖さとか、自分の生を自分で主宰するって本来どういうことなのかとか、働くことが当たり前すぎる日常ではめったに言葉にならない視点がぽんと差し込まれるんです。読んでいると、未来に追い立てられる感覚が少しゆるむというか、いまに戻される瞬間がある。 特に刺さったのは、人間を年収や消費額で測るこの社会の“当たり前”をいったん横に置いていいという態度と、なにかに導かれるように動いてしまう「わたし」の在り方をもう少し信じていいのでは、という提案でした。サボれと言われると極端に聞こえるけれど、実際は「生の主導権を取り戻す」という話に近いと思います。 会社や社会のリズムに同調しすぎて、自分のリズムを見失っている気がする人にはとても刺さるはずです。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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