
現代思想2021年9月号 特集=〈恋愛〉の現在――変わりゆく親密さのかたち
永田 夏来, 高橋 幸, 石井 ゆかり, 清田 隆之, and 菊地 夏野
この本について
恋愛のことを考えるとき、「そもそも今の時代に“ふつうの恋愛”って何なんだろう…」と立ち止まることがよくあります。誰かに依存しすぎるのは怖いけれど、一人では心が持たない瞬間もある。親密さを求めながらも、どこか構えてしまう。私自身、このあたりのモヤモヤがずっと消えずにいました。 この特集を読んで救われたのは、恋愛をひとつの形に押し込めず、「不可能性を含んだ営み」として扱っているところです。例えば、愛することと所有することは違うという視点や、親密さが必ずしも二者だけで完結するものではないという議論。あるいは、微量の感情を複数の相手とやりとりして生きている現代のリアルを、そのまま肯定するようなまなざし。どれも、無理に答えを出そうとするより、自分の感じている揺れをそのまま受け止めていいと思わせてくれます。 個人的には、「一人が全部を語ることは不可能」という考え方が特に刺さりました。自分の内側だけで恋愛を説明しようとして苦しくなっていたけれど、文化やテクノロジー、家族のあり方まで含めた“文脈”として見るだけで、息がしやすくなる。恋愛を頑張るか諦めるか、という二択ではなく、関わり方そのものを調整していく余地が見えるようになる本です。 今の恋愛観にどこか違和感がある人、あるいは「恋愛がしんどい理由を整理したい人」に静かに刺さると思います。
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