
盗撮をやめられない男たち (扶桑社BOOKS)
斉藤章佳
扶桑社 / 2021-08-31
この本について
最近、「なんでこんなにも性犯罪がなくならないんだろう」とか、「加害者って何を考えてるのか全然わからないまま議論だけが先に進んでる気がする」と感じることが多いです。ニュースを見ていても、説明になっているようで核心が抜け落ちている感じがして、モヤモヤが残るまま終わってしまうというか。 この本は、その“抜け落ちている部分”をかなり具体的に描いてくれます。たとえば、盗撮を続ける人が「興味本位」で動いているのではなく、ストレスの処理方法が極端に乏しい状態で、歪んだ快感学習に縛られていくプロセス。あるいは、加害者自身が被害者の存在を想像できないほど感覚が麻痺していく背景に、社会全体に染みついた男尊女卑の価値観があること。こういう説明を読むと、「個人の異常さ」では片づけられない構造が見えてきます。 読みながら感じたのは、行動の悪質さと、その行動に至るまでの“認知の歪み”は別問題で、どちらも理解しないと再発は防げないということです。感情的に距離を置きたくなるテーマですが、なぜ彼らが止まれないのかがわかると、社会としてどこに手を入れるべきかが少しだけ見えてきます。もちろん「加害者を擁護する」本ではなく、被害の重大性も丁寧に扱われています。 加害の心理や依存の仕組みを表面的な言葉で片づけたくない人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
読書の順序
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