
松本隆 言葉の教室
延江浩
この本について
文章を書くとき、「これで合ってるのか…」と手が止まることがありませんか。仕事でも私生活でも、“正解っぽい言い回し”に寄せてしまって、自分が何を感じているのかよく分からなくなる。僕もずっとその癖が抜けなくて、書けば書くほど言葉が薄まっていく感じに悩んでいました。 『松本隆 言葉の教室』を読んで、少しだけ視点が変わりました。松本さんは、インプットしようと身構えた瞬間に、表現が不自然になると言い切ります。日々見てきたもの、読んだもの、体験したことが勝手に堆積していく。その“勝手さ”を信じるところから言葉が動き始める、と。頭で組み立てるのではなく、自分を空白にして潜在意識のほうに任せていく感覚は、技術書を読んでもなかなか掴めない部分でした。 もうひとつ刺さったのは、定型を安全パイとして使うと、相手には届かないという話。時候の挨拶のような“誰も傷つけない言い方”に逃げると、結局なにも動かせない。逆に、表面的な属性をいったん外して、その奥にあるものまで掘り下げたときに言葉が生まれるという視点は、仕事のコミュニケーションにもそのまま効きました。自分の観たものから想像を膨らませるだけでも、表現の出発点になるというのも励まされます。 肩に力が入りすぎている人、言葉がどこか借り物っぽく感じる人には、静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの37%が集中しています。
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