
新装版 世界の調律 (平凡社ライブラリー0926)
R.マリー・シェーファー and 鳥越 けい子
平凡社 / 2022-01-07
この本について
最近、仕事でも生活でも「情報に耳が奪われている感じ」が続いていて、静かな場所に行ってもなぜか落ち着かない…そんなモヤモヤを抱えることが増えました。音を避けるしか対処法が思いつかなくて、結局イヤホンや耳栓に頼るだけになってしまう。でも、この本を読んでいると、問題は音の多さそのものというより、こちらの“聴き方”のほうにあるんじゃないかと思わされます。 たとえば著者が言う「透聴力」という発想。音を遮断するのではなく、環境の中で何が基調音で、何が前景として際立っているのかを丁寧に拾うことで、今いる場所の意味が少しずつ変わってくる感じがあります。また、騒音を消すのではなく「どの音を残したいのか」を問い直す視点も、自分の働き方や暮らし方を選び直す作業にすごく似ていて、ただの理論書以上の手触りがありました。耳が勝手に拾ってしまう世界のざわつきを、少しだけ自分のペースに戻せるようになる感覚です。 音に敏感で疲れやすい人よりも、むしろ「日々の環境に意味づけしづらくなってきた人」に刺さる本だと思います。世界を静かにするのではなく、自分がどんな世界を聴き取っていきたいのか。その最初のヒントをくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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