
スター・シェイカー
人間 六度
早川書房 / 2024-03-21
この本について
最近、行き先を決めるときにふと「そもそも、どこへ行く意味があるんだろう」と立ち止まることが増えました。行動することより、自分が何を知ろうとしているのかの方がずっと難しい。頭では動けるのに、心がついてこない感じです。同じようなモヤモヤを抱えている人には、『スター・シェイカー』の抜粋がやたら響くと思います。 この本は、SFの形を借りながら、自分という存在をどう認識しているのかを静かに問いかけてきます。テレポートの仕組みをめぐる描写は、まるで「自分をちゃんと知るって、こんなに曖昧で大変なんだ」と突きつけられるようで、行為者の輪郭が自分の認識に依存しているという話も、日常の些細な選択がいかに不確かさの上に成り立っているかを思い出させてくれます。そして「どこへでも行けるからこそ意味がなくなる」という視点は、自由さと迷いが紙一重であることをやわらかく示してくれます。 派手な物語を期待するというより、ふと足が止まってしまったときに、自分の感覚を丁寧に拾い直したい人に向いている作品です。特に「自分がどこからどこまでなのか」「なぜ今そこに立っているのか」を考えたことがある人には、深いところで引っかかるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの58%が集中しています。
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