
ディアスポラ
グレッグ イーガン and 山岸 真
文藝春秋 / 2014-02-07
この本について
仕事でも生活でも、自分の「選択肢の狭さ」をふと意識してしまうときがあります。環境に合わせて動いているだけで、本当に自分の意思で生きているのか分からない、そんな感覚です。ディアスポラの抜粋を見ていると、まさにそこに引っかかった人が多いように思いました。ヤチマやイノシロウが、自分の在り方を他者との関係の中で揺らしつづける姿は、遠い未来の話なのにずいぶん身近に感じます。 この本が効くのは、壮大な宇宙SFだからではなく、「選べると思っていることの本質って、意外と外側に規定されているよね」という感覚をそっと裏返してくれるところです。精神種子の描写がそうで、個性や自分らしさの源が完全にシステムと地続きであるという設定は、自由意志という重いテーマを唐突に振りかざすのではなく、登場人物たちのささやかな会話や迷いの中に溶け込ませてくれます。また、ヤチマが肉体人たちの怒りの前に立つ場面のように、正しさよりも関係性のほうが事態を左右してしまう瞬間が丁寧に描かれていて、自分の判断も同じくらい脆いのだと気づかされます。 派手な成長物語ではなく、変わりたくても変われない人がどう迷っていくかに興味がある人に刺さる本です。宇宙規模の話をしているのに、人間関係の息苦しさや救いのなさまでちゃんと持ち込んでくれるので、読み終わったあとにじわじわ効いてきます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
BookNotion をお使いの方へ
この本の指標は、あなたの本棚でも見られます
このページで見ている読者数・精読度・完走率は、あなた自身の本にも表示できます。BookNotion をお使いなら、下のリンクを開くだけで自分のデータが出ます(ログイン操作は不要です)。
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要





