
エレファントヘッド (角川書店単行本)
白井 智之
KADOKAWA / 2023-09-26
この本について
最近、物事の因果関係とか、自分の選択がどこに繋がっているのか分からなくなるときがあります。誰かの言動の裏側を読みすぎて疲れたり、「もし別の選択をしていたら」と考え込みすぎたり。頭では割り切れないけど、気持ちの整理もつかない。そんなときに、この『エレファントヘッド』を読んで、少しだけ肩の力が抜けました。 この本はSFやミステリの形をしているんですが、描かれているのは「自分が分裂するほど迷う人間」の姿なんですよね。時間が歪んだり、意識が分かれたり、理屈では説明しきれない現象が続くのに、登場人物たちは淡々と“自分が何を選んだか”に向き合わざるを得ない。読んでいる側も、誰かを許す許さないの線引きの曖昧さとか、選択の重さを現実より少しだけズラした距離で考えられます。 特に、ルールを定めながらも破られていく関係性や、時間が巻き戻るのに感情だけは巻き戻らない設定は、日常の「戻れない気持ち」と地続きに感じました。理不尽さを抱えたまま、それでも決めないと前に進めない感じ。その感覚に触れたい人にはすごく刺さると思います。 奇抜な設定に見えて、自分の中の矛盾や迷いを整理したいときに効く一冊でした。こんな人に刺さると思います。考えすぎて身動きが取りづらくなっている人。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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