
神はいつ問われるのか? When Will God be Questioned? WWシリーズ (講談社タイガ)
森博嗣
この本について
最近、現実と自分の気持ちが噛み合わない感覚が続くことがあります。周りは普通に生活しているのに、自分だけ別の世界にいるようなズレを覚えるというか。頭では分かっているのに、選択の基準が揺れてしまって、心が追いつかないまま動いている感じです。 森博嗣さんの『神はいつ問われるのか?』は、そんな「自分の認識だけが妙に浮いて見える瞬間」をつついてきます。仮想空間が落ちただけで人生ごと崩れてしまう人たちの姿は極端に見えるけれど、読み進めるうちに「自分の世界って、結局は自分がどう意味づけしているかでしかない」という点がじわっと刺さります。矛盾を抱えたまま動いてしまうのが人間で、それを無理に整理しようとしなくていいのかもしれない、という視点の変化が起きます。 もう一つ、この本が効くのは「世界を外側から測るのをやめるきっかけ」をくれるところです。自分の都合で世界を解釈しているなんて言われると身も蓋もないですが、だからこそ「じゃあどこから立ち上がるか」を考えやすくなる。世界が揺れているのではなく、自分の見方が揺れているだけかもしれない、といった距離感を持てます。 自分の中の矛盾を抱えたまま、それでも進みたい人に向いている一冊だと思います。
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