
人間らしさとは何か 生きる意味をさぐる人類学講義 (河出新書)
海部陽介
河出書房新社 / 2022-02-25
この本について
仕事で判断に迷ったり、人との距離感がわからなくなったりするとき、「そもそも自分ってどういう生き物なんだろう」と根本的なところに戻りたくなることがあります。考えても答えは出ないのに、放っておくとずっと頭の片隅に残るやつです。 この本は、そういうモヤモヤをいきなり解決してくれるわけではありません。でも、人間の体や感覚がどういう経緯で今の形になったのかが具体的にわかってくると、自分の日常の行動の理由が少しだけ腑に落ちるんですよね。たとえば、視覚にどうしてこんなに注意を奪われるのかとか、指先で触ると安心する理由とか、長距離移動が得意な生物としての自分とか。こういう「身体の歴史」を知るだけで、今の自分の反応に変な罪悪感を持たなくなるというか、むしろ自然なこととして受け入れられるようになります。 さらに、人類がどんな環境で進化し、どう適応してきたのかを追っていくと、「人間らしさ」に優劣をつける発想そのものがいかに不自然かが見えてきます。これは叱られるような説教ではなく、ただ淡々と事実を積み重ねた結果としてそう感じるんですよね。その距離感がちょうどよくて、読んだあとに肩の力が抜けます。 自分の思考や行動の“根っこ”に興味がある人、あるいは「なんで自分はこうなんだろう」と立ち止まることが多い人には、とても静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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