
暴力と紛争の“集団心理”
縄田健悟
ちとせプレス / 2022-02-28
この本について
ニュースを見ていても、SNSを眺めていても、「なんであんな極端な言動が生まれるんだろう」とか、「普通の人が、集団に入った瞬間こんなに変わるのか」とモヤモヤすることが増えました。個人としては暴力的でも差別的でもないはずなのに、集団になると急にトーンが荒くなる場面、身近でも見かけますよね。自分もその空気に引っ張られそうになる瞬間があって、うっすら怖くなるときがあります。 『暴力と紛争の“集団心理”』は、そういう「なぜ人は集団に入るとおかしな方向へ行くのか」という疑問に、感覚ではなく心理学のデータで丁寧に答えてくれる本でした。たとえば、集団の“ノリ”に合わせるだけで道徳のブレーキが弱まりやすいこと、外国や弱い立場の集団をバカにすることで内集団を優位に見せたくなる心理が攻撃性を生むこと、そして排斥された側が「敵はあいつら全体だ」と感じて報復に向かうプロセス。読み進めるほど、ニュースの出来事が違う角度で見えるようになります。 そして本書は「集団=悪」と切るのではなく、状況や規範によっては暴力を抑える方向にも働くことまでしっかり書いてくれています。ここが救いでもあり、現実を直視する上での大事な視点でした。 自分の感情が「正義」なのか「集団のノリ」なのか判別がつかなくなることがある人、あるいはSNSの空気に飲まれやすい自覚がある人には、とても刺さると思います。
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