
漂流 日本左翼史 理想なき左派の混迷 1972-2022 (講談社現代新書)
池上彰 and 佐藤優
講談社 / 2022-07-21
この本について
最近、社会の空気を見ていて「自分が今いる立場って、どんな歴史の延長線上なんだろう」とぼんやり考えることがあります。右とか左とかいう話になると一気に抽象度が上がって、結局よく分からない。けれど、知らないまま距離を取っていると、自分が判断に迷う場面でより混乱するんですよね。 この本は、そういうもやっとした感覚に実務的に効いてきます。七〇年代の労働運動が本当に“明るい”現場だったことや、社会党と共産党のあいだにあった温度差、組織が弱っていく瞬間の具体的な手触りが、とにかく生活感のある話として流れてくる。新聞の裏側で何が起きていたのかとか、大学自治会がどんな空気だったのかとか、ニュースでは拾えないディテールが積み重なるので、抽象的な「左派の衰退」という言葉が急に具体物になる感覚があります。 読んでいて思ったのは、思想そのものより「人や組織がどう迷って、どこで判断を誤り、何が崩壊の兆しになるのか」という部分が、自分の働き方やチーム運営にもそのまま照らせるということでした。理論は立派でも現場で妥協が続くと支持が失われていくとか、方針転換に納得していない人が内側から力を抜くと組織が一気に弱るとか、どれも身に覚えがありすぎる。 歴史の話が得意じゃなくても、「組織の空気がどこで変わるのか知りたい人」には刺さると思います。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの14%が集中しています。
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