
真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960 (講談社現代新書)
池上彰 and 佐藤優
講談社 / 2021-06-16
この本について
政治の話題って、いまの空気だと「なんとなく距離を置いておきたい」と感じる人、多いと思います。右とか左とかいう言葉も、知っているようで実はよく分からないまま使ってしまって、モヤっとしたまま話が終わることもあるはずです。自分もそうで、ニュースを見るたびに「背景を知らないまま判断してないか?」と不安になる瞬間がありました。 この本が効くのは、まさにその“背景の抜け”を埋めてくれるところです。たとえば共産党がなぜ武装闘争を掲げ、なぜそれを放棄する流れになったのか。社会党がどうして左右に分裂し、その後なぜ国民的支持を失っていったのか。こういう歴史のディテールを知ると、現在の政治的なねじれや温度差が少し落ち着いて見えてきます。抽象的なイデオロギーではなく、具体的な判断や失敗、そのときの空気が積み重なって“いま”ができているんだと実感できます。 そして何より刺さったのは、「知らないまま波に飲まれる怖さ」が繰り返し語られている点でした。思想に賛成か反対か以前に、知らずに流されるほど危ないことはない。歴史を一度たどっておくと、今後どんな議論に出会っても、足場を失いにくくなる感覚があります。 政治のラベル分けに少しでも違和感や不安を覚えたことがある人には、とても静かに効いてくる一冊だと思います。
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