
プロトコル・オブ・ヒューマニティ
長谷 敏司
この本について
介護や家族のことで感情がぐちゃっとして、正しさより「どう折り合いをつけて生きていけばいいのか」のほうが気になってしまう時期ってありますよね。自分の余裕のなさにも腹が立つし、相手の変化を受け止めきれない自分にもがっかりしたりして。僕も同じで、この本を読んだとき、きれいごとじゃない“人と向き合うしんどさ”が、そのまま言語化されている感じがしたんです。 『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』が効くのは、まず、人間関係の「正しさ」をいったん脇に置いて、身体や所作みたいな、ごく小さなレベルで人が何を受け渡しているのかを見せてくれるところです。父親の介護で積み重なる罪悪感とか、仕事で人との距離感がうまく測れないときのモヤモヤが、言葉じゃなく“関係の動き”として描かれていて、自分がなぜ疲れていたのかの筋道がふっと通る。そして、AIやロボットの描写を通して、人間らしさって特別な才能じゃなくて、揺れたり、噓をついたり、迷ったりする「どうしようもなさ」を抱えたまま成り立つんだ、という視点をもらえます。 誰かと関わるたびに少しずつすり減って、それでも関係をつなぎたいと思ってしまうタイプの人に刺さる本です。読んでいて救われる、というより、「ああ、こういうしんどさって構造としてあるんだな」と静かに認められるようになる物語です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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