
BEATLESS 上 (角川文庫)
長谷 敏司
KADOKAWA / 2018-02-24
この本について
人との距離感に違和感を覚えるときってありますよね。相手が人でも機械でも、こちらの感情のほうが先に動いてしまって、「これって自分の思い込みなんじゃないか」とふと立ち止まる感じ。僕も仕事でAI系のサービスに触れるたびに、その境界がよく分からなくなることがあります。 『BEATLESS』は、そのモヤモヤを正面からつついてきます。登場するhIEの言動は、人間そっくりなのに“中身はない”。だからこそ、こちら側が意味を勝手に投影してしまう。そのズレを物語として突きつけられると、「自分は普段どれだけ相手を“モノ扱い”しているか」「振る舞いだけで人格を判断してないか」みたいな、小さな痛みが静かに刺さります。読者が保存していた場面も、大半がこの“ズレ”に気づく瞬間でした。 僕が読んで効いたのは、まず「自分の感情の根拠を一度止まって見る癖」がついたこと。次に、便利さに頼り切ると相手を都合よく解釈してしまうという、身に覚えのある構造を言語化してくれたこと。そして、社会全体の仕組みも結局は人が“意味づけている”だけだという冷静な視点をもらえたことでした。 人やAIとの距離感にいつも迷う人、あるいは「自分は何を見て相手を判断しているんだろう」と感じたことがある人には、特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
読書の順序
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