
エンタメ小説家の失敗学~「売れなければ終わり」の修羅の道~ (光文社新書)
平山 瑞穂
この本について
創作でも仕事でも、時間をかけたものほど削ったり方向転換したりするのがつらくて、目をそらしたくなる瞬間ってありますよね。頑張って積んだものを「なかったことにする」判断ほど、気力を奪うものはないし、後から理由づけようとすると余計に自分を責めてしまう。僕も何度も同じところでつまずいてきました。 この本が面白いのは、そういう“現実的に痛い部分”を、作者自身が逃げずに検証しているところです。原稿を三百枚削る決断に至るまでの迷いや、売れなかった理由をあとから整合的に説明してしまう人間の癖、ジャンルのルールに縛られる苦しさ。どれも創作に限らず、仕事のプロジェクトやキャリアの選択にも重なる話ばかりです。失敗を神話化せず、「こういう落とし穴は誰にでも起きうる」と示してくれるので、読んでいて変な力みが抜けました。 とくに、企画が膨張して収拾がつかなくなる人、作ったものを削るのが苦手な人、自分の仕事がどの土俵で評価されているのか迷いがちな人には刺さると思います。派手な逆転劇はないけれど、現場の汗と後悔をそのまま言葉にしてくれていて、読み終える頃には「ああ、自分も一度立ち止まって整理してみようかな」と静かに背中を押される一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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