
イクサガミ 地 (講談社文庫)
今村翔吾
講談社 / 2023-05-16
この本について
仕事でも日常でも、「頑張ってるのに噛み合わない」と感じる時ってありますよね。自分だけ空回りしているような、努力の重さが報われる気配すらないあの感じ。そういう時に視点を揺さぶってくれるのが『イクサガミ 地』でした。戦の場面が多い物語ですが、そこで描かれているのは、結局どんな時代でも人が抱える葛藤そのものなんだと思います。 たとえば、銃が「訓練の時間を縮め、相手の研鑽の時間を粉砕する」というくだり。努力が必ずしもフェアに評価されない現実を、物語の中で突きつけてきます。でも同時に、じゃあ自分はどこで踏ん張るのか、どこで工夫するのかという視点にも自然と向き合わされるんですよね。兵も弾も足りない中で、それでも動くしかない登場人物たちの姿に、自分の状況を重ねてしまう瞬間が多かったです。 それから、「本物の騎士は違う」という言葉にあるような、軽い尊敬とも憧れともつかない感覚。理想を掲げるのではなく、目の前の選択をどう積み重ねるか。その泥臭さに救われる人も多いはずです。派手なヒーローを描く物語ではなく、自分と同じく揺れながら踏ん張る人物たちが静かに効いてきます。 こんな人に刺さると思います。努力と現実のギャップに疲れて、でもまだ諦めきれない人。物語としての面白さはもちろん、あの混沌とした感情にそっと手を添えてくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの60%が集中しています。
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