
じんかん (講談社文庫)
今村翔吾
講談社 / 2020-05-27
この本について
日々、人間関係のしがらみとか、職場の「善悪」みたいな空気に振り回されて、なんとなく疲れてしまうことってありませんか。自分の中の正しさも揺れるし、周りの価値観に足を引っ張られているような感覚もある。変わりたいのに変われない、というより「変わること自体が怖い」みたいなモヤモヤが、ぼく自身ずっとあります。 『じんかん』は、乱世を生きる人々の姿を通して、そのモヤモヤの正体をじわっと浮かび上がらせてくれる本でした。たとえば、人は飢えるより孤独に負けるとか、善悪は立場で簡単にひっくり返るとか、変革を拒むのは本能に近いとか、読者の方が保存してくれた抜粋はどれも「そう言われるとそうなんだよな…」と思わず手を止めるものばかりです。綺麗事じゃなく、人の弱さや不確かさを前提にして描かれているから、自分の迷いを責めずに済む感じがあるんですよね。 特に刺さったのは、己を証明するために他者や物に頼らざるを得ないというところ。強さや自立を求められる世の中で、こういう視点を言語化してくれるのは意外と珍しい気がします。変わらない世界に押し戻されながらも、自分はどう動くのかを考えるきっかけになるし、善悪に振り回される職場やコミュニティで息苦しさを抱えている人には、意外な心の逃げ場にもなると思います。 「人の感情や力関係に振り回されがちな人」に特に刺さる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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