
転職 (角川文庫)
高杉 良
PHP研究所 / 2023-06-06
この本について
仕事の方針を決めるときに、「数字を追うべきなのか、顧客を見るべきなのか」で揺れることってありませんか。あるいは、チームのモチベーションと会社の目標がズレていて、どこから手をつければいいのか分からなくなることもあると思います。僕も現場と経営の間で迷う瞬間がよくあって、そのたびに判断の軸がぶれてしまうんですよね。 『転職』はビジネス小説ではあるんですが、読んでみると実務にそのまま持ち帰れる視点がけっこうあります。例えば、守りのファイナンスと攻めのマーケティングを分けて考える感覚は、「自分はいまどっちのモードで動いてるのか」を整理するきっかけになりますし、知識で評価する前に現場を理解する姿勢の大事さは、肩書きが変わるほど忘れやすい部分を丁寧に突いてきます。また、チーム全体の方向性と個人のモチベーションがズレたときにどう向き合うかという話も、綺麗事ではなく現実的な距離感で書かれていて、妙に腹に落ちました。 特に、自分のこだわりが強くない主人公だからこそ、デザイナーの感性を素直に受け取れるという場面は、「強い意見を持つこと」だけが正解じゃないと教えてくれるところがあって、読んだあとに肩の力が抜けました。 組織と自分の距離の取り方に悩んでいる人や、マーケティングを“技術”として捉え直したい人には、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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