
「答えは出さない」という見識
平川克美
この本について
最近、「自分の人生なんだからちゃんとしなきゃ」と思うほど、逆に足取りが重くなることがありませんか。努力不足とか覚悟が足りないとか、そういう話ではなくて、そもそも何を基準に頑張ればいいのか分からないまま焦ってしまう感じです。僕自身もそこでよくつまずきます。 この本が面白いのは、「人生は自分のものじゃないかもしれない」という前提から始めてくれるところです。自分の意思で生まれたわけでもないし、いま・ここにいるのも偶然に近い。そう考えると、「全部自分で責任を負わなきゃ」という思い込みが少しゆるむんですよね。責任放棄ではなく、背負い込みすぎていた荷物をいったん床に置ける感覚に近いです。 さらに、「どうせ死ぬのに生きている」という言い回しも、悲観ではなくて、生きたいと思わせる何かがすでに自分の中にあるのかもしれない、と読み替えてくれます。正解を求めて身動きが取れなくなる時に、答えを急がず、生きている理由を外に探すのでもなく、ただ今ここにある自分を認めるところから始めていいのかもしれません。 こんな人に刺さると思います。自分の生き方を「決めきれない」ことに焦りを感じている人。そういう迷い方をしている時ほど、この本のゆるやかな視点が落ち着きを取り戻すきっかけになるはずです。
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