
ビジネスケアラー 働きながら親の介護をする人たち (ディスカヴァー携書)
酒井穣
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2023-07-21
この本について
親の介護について、どこかで「まだ先だろう」と思いながら、仕事との両立を想像すると胸の奥がざわつく人は多いと思います。自分はその感覚にずっと蓋をしてきたのですが、現実に触れる場面が増えるほど、「そもそも介護って何を支える行為なんだろう」と途方に暮れることがありました。 この本は、そのモヤモヤを力技で解消するというより、介護を取り巻く前提を静かにひっくり返してくれます。例えば、自立とは「誰にも頼らず生きること」ではなく、「依存先を分散させること」だという指摘は、介護される側だけでなく、働く私たち自身にも刺さります。仕事に全ベットしてきた生き方が、一度に揺さぶられる理由が初めて腑に落ちました。また、介護は要介護者を無力化する行為ではなく、残っている力をどう活かすかという視点で見直すべきだという話も、実際の場面を想像すると変に力が抜けます。さらに、親が元気なうちに人生の背景を聞いておくべきだというくだりは、感傷ではなく、将来の自分を守るための“具体的な準備”として語られているのが印象的でした。 介護を避けたいテーマとして遠ざけてきた人ほど、この本の言葉が静かに効いてきます。仕事中心の生き方に少しでも違和感がある人に届くと思います。
読書インサイト
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