
ガンディーの真実 ――非暴力思想とは何か (ちくま新書)
間永次郎
筑摩書房 / 20230907
この本について
日常で「正しいと思ってやっていることが、ほんとうに正しいのか」と迷う瞬間ってありますよね。誰かを傷つけないようにしたいのに、結局どこかで妥協していたり、自分の中の暴力性に気づいてしまったり。そういう時にガンディーの非暴力思想を読むと、きれいごとじゃ通らない世界でどう立つか、少しだけ視界がひらけます。 この本が面白いのは、ガンディーを“聖人”として扱っていないところです。塩の行進の裏に、識字率の低い農民の想像力まで動かした背景があったとか、彼自身が「臆病よりは暴力を選べ」と語った現実的な側面とか。そして何より、自分がどれだけ真実に従えるかを極限まで突きつめながら、家族だけは最後まで救えなかったという、人間としての限界も描かれています。ここが読者の抜粋に強く表れていて、他人事ではない重みがあります。 読んでいて感じたのは、非暴力って政治運動の話だけじゃなく、食べること、着ること、人間関係の距離感といった“生活の細部”にまで関わる姿勢なんだということです。世界は本質的に暴力的で、その中でどう生きるか。答えは簡単じゃないけれど、少なくとも「どこまで真実にしがみつくか」という問いを、自分の足元に引き戻してくれます。 自分の行動の理由を一度立ち止まって見直したい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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