
事務に踊る人々
阿部公彦
講談社 / 2023-09-21
この本について
仕事をしていると、「なんでこんな事務に時間を吸われてるんだろう」とか、「意味あるのか分からない手続きに振り回されてるな」と思う瞬間ってありますよね。ちゃんとやらないといけないのは分かってるのに、どこかでモヤモヤが残る。しかも、自分だけが下手なのでは…みたいな負い目までついてくる。 『事務に踊る人々』は、そのモヤモヤを「歴史的にそういう構造になっているからだよ」と淡々と示してくれる本です。たとえば、事務が権力の装置として機能してきたこと、形式主義がストレスを生む一方で私たちの身を守る避難所にもなっていること、さらには「事務が死と深くつながっている」という視点まで出てきます。読んでいると、ただの面倒な作業だと思っていた事務の裏側に、ここまで人間臭い背景があったのか、と見える景色が変わっていく感じがあります。 自分の仕事にも置き換えやすくて、たとえば「配慮の規範」によって疲れてしまう理由や、形式に従うことがなぜこんなに重くのしかかるのか、といった日常の違和感が言語化されます。事務が嫌いなわけじゃないのに、距離感がつかみにくい……そんな感覚を抱えている人には特に刺さると思います。 事務に追われているすべての人に向けて、ではなく、「なぜこんなに事務が自分を縛るのか」と一度でも立ち止まったことのある人に静かに効く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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