
ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論
デヴィッド グレーバー, 酒井 隆史, 芳賀 達彦, and 森田 和樹
岩波書店 / 2020-07-29
この本について
仕事中にふと「これ、何の意味があるんだっけ」と立ち止まる瞬間ってありますよね。忙しいのに手応えがなくて、むしろ自分の存在が空っぽに思えてくる。周りは平然と働いているように見えるから、なおさら言いづらいままモヤモヤが積もっていく。 この本は、その感覚を“個人の甘え”ではなく、構造の問題として正面から扱ってくれます。たとえば、待遇はいいのに中身が無意味な仕事が生まれる理由や、逆に誰かの役に立つ仕事ほど報酬が低いという逆転現象がなぜ起きるのか。読んでいると、自分の違和感がただの気のせいではなかったんだと、肩の力が少し抜けていきます。また、「疑問は持つな」という無言の圧力の中で、自分の時間や思考がどう奪われていくのかを描くパートは、働くうえでの“見えない疲れ”の正体を言語化してくれて妙に刺さりました。 この本が特別なのは、仕事に意味がないと感じてしまう自分を責める前に、なぜそう感じるように仕組まれているのかを整理してくれるところです。読後には、仕事そのものよりも、自分の時間や気力をどう守るかに意識が向くようになりました。 「やっていることの意味を考え始めるとしんどくなるタイプ」の人には、とくに深く響くと思います。
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