
ヤマケイ文庫 十大事故から読み解く 山岳遭難の傷痕
羽根田 治
この本について
仕事でも日常でも、「あれ、ちょっと危ないかも」と思いながら続けてしまう場面ってありますよね。うまくいった経験が積み重なるほど、気づけば判断が雑になっていたり、撤退のタイミングを逃していたり。頭では分かってるのに、現場では流されてしまうあの感覚、けっこう根深いなと思っています。 この本を読んで刺さったのは、まさにその“流される瞬間”がどんなふうに起きるのかを、山岳遭難という極端なケースを通して見せてくれるところです。ヒヤリとした場面を「今回も大丈夫だった」で済ませてしまう積み重ねがどう危うさにつながるのか。悪天候の兆しを前に、誰も強く言い出せないまま判断が遅れていく空気感。あるいは人数が多いパーティほどリスクが上がるように、人が増えるだけで意思決定が鈍っていく構造。どれも山に限らず、職場やチームで起きていることと重なって見えました。 派手な成功論ではなく、「いかに早く引き返す判断ができるか」という、ごく現実的で、でも一番むずかしい視点を静かに教えてくれる本です。自分の判断に迷いがあるとき、その迷いの正体を言語化してくれるような読後感でした。 慎重さと行動のバランスでいつも悩んでいる人に、特にしみる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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