
おいしい旅 しあわせ編 (角川文庫)
大崎 梢、近藤 史恵、篠田 真由美、柴田 よしき、新津 きよみ、松村 比呂美、三上 延、アミの会
KADOKAWA / 2023-10-24
この本について
日々、人との距離感でちょっと失敗したり、あとになって「なんであんな言い方したんだろう」と自分に返ってきて落ち込むことってありますよね。仕事でもプライベートでも、感情が先に動いたあとの後悔がじわじわ効いてくる。そんな時に、少しだけ呼吸を整えてくれる本があります。 『おいしい旅 しあわせ編』は、旅や食べ物をめぐる短編集なんですが、ただ「おいしいものが並ぶ話」ではなく、人の心の奥で動いているものがふっと姿を見せる瞬間が描かれています。感情に任せて吐いた言葉の重さに気づく場面や、別れや後悔が静かに積もっていく気配、誰かの味の記憶にそっと救われる時間。読むうちに、自分の中にも同じように積もっているものがあったなと気づかされました。 物語のなかで印象的なのは、「本当に美味しいってのは、いつまでもその味を忘れないってことなんだ」という祖母の一言で、単なる食の話ではなく、誰かとの関係や過去の選択までも含めて“忘れられないもの”の意味が少し変わって感じられます。後悔も愛着も、ただ消そうとするんじゃなくて、持ったまま進むための視点がそっと差し込まれる感覚があります。 日常の中で、気持ちの処理がうまくできない自分にときどき疲れてしまう人にこそ、静かに効く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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