
やっぱり食べに行こう。 (毎日新聞出版)
原田マハ
この本について
日々のごはんがただの作業になっている気がして、「楽しむ余裕どこいったんだろう…」と立ち止まることがあります。旅に出ても、なんとなく有名店を巡って終わってしまったり、季節の移ろいを味わう前に日常へ戻ってしまったり。そんなときにこの本を読むと、食べることって本来もっと自由で、もっと感覚的でよかったんだよな…と呼び戻されます。 原田マハさんのエッセイは、単に“おいしいもの”の話ではなく、土地の空気ごと食べる感覚を思い出させてくれます。上高地の空気に肺が驚く話や、冬になると思い出す熊鍋、パリで観た映画から広がるアートの余韻まで、すべてが「その瞬間にしか味わえないもの」として描かれていて、自分の感覚がちょっとだけ研ぎ澄まされる感じがあるんです。読んでいると、旬や土地のものを求める気持ちが自然に湧いてきて、「次どこへ行こうかな」と考える余白が生まれます。 そしてもうひとつ、この本の効き目は“自分の好き”を思い出させてくれるところ。牡蠣に夢中になったり、ニューヨークでまずベーグルを食べたり、誰にでもある「これを食べると帰ってきた気がする」という感覚を丁寧に拾ってくれるので、読んでいる側も自分の記憶の棚を勝手に探り始めます。 日常の食事が単調になってきた人、旅の目的を見失いがちな人、「最近ときめく味に出会ってないな」と感じている人にじわっと効く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
読書の順序
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