
なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた
養老孟司、鵜飼哲夫
中央公論新社 / 20231120
この本について
最近、情報に振り回されている感じが抜けない、という相談をよく聞きます。調べれば答えが出るはずなのに、現実のほうが逆にわからなくなっていく。自分の見方が固まってしまっている気もするけれど、どう広げればいいのかもわからない。僕自身も同じことでよく迷います。 そんなときに思い出すのが『なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた』で語られる、養老孟司さんの“視点のほぐし方”でした。たとえば「教科書どおりじゃない死体は間違っている」と言う学生の話。あれを読むと、僕らが知らないうちに“正しさの型”を内側に作り込んでしまっていることにハッとします。情報の変化ではなく、自分のほうこそ常に揺れ動いているという指摘も、今の時代には妙に刺さるところがあるはずです。 また、円錐を丸と見るか三角と見るか、という例もそうで、一方向からだけ見ると世界はすぐに単純化されてしまう。でも実際はロングテールのどうでもいい日常がほとんどで、そこで人は考え方を育てていく。本書の語り口は決して「こう生きろ」と言いませんが、フィルターを交換する感覚を取り戻したいときの良い足場になります。 自分の見方が“固まってきたかも”と感じている人に、とくに静かに効いてくる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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