
自動車の世界史 T型フォードからEV、自動運転まで (中公新書)
鈴木均
中央公論新社 / 20231120
この本について
仕事で判断に迷うときって、「目の前の仕組みがなぜこうなっているのか」が分からなくて、もやっとすることが多い気がします。今の常識の裏側にある歴史を知らないまま動いている感じというか。その違和感をほぐしたくて手に取ったのが、この『自動車の世界史』でした。 読んで意外だったのは、自動車産業が技術だけでなく、国家のあり方や人の働き方までつくってきた事実です。例えばフォードが移民労働者に英語と民主主義を教えていた話は、単なる工場のエピソードというより、「企業が社会そのものをどう形づくるのか」を考えるきっかけになりました。さらに、ロシア工場が後にGAZとなり、戦争の帰趨にまで影響した流れを知ると、普段のニュースで見る企業の動きもまったく違う輪郭で見えてきます。 もうひとつ刺さったのは、大量生産の原点が自動車ではなく銃器だったというくだりです。産業の仕組みって、直線的に進化しているようで、実際には安全保障や政治と密接に絡み合っていた。そう思うと、自分の仕事の背景にも、意外な歴史の積み重ねがあるんだろうな、と少し視界が広がりました。 表面的なテクノロジー史ではなく、ものづくりが社会とどんな相互作用をしてきたのかを知りたい人に刺さる本です。自分の立っている場所の意味を、もう少し深く理解したいタイミングにちょうどよかった一冊でした。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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