
構造の奥 レヴィ=ストロース論 (講談社選書メチエ)
中沢新一
講談社 / 2024-04-11
この本について
最近、目の前の出来事に理由をつけようとしては空回りしたり、「自分の見方のほうが正しいはずだ」と思い込んでしまったりして、世界の複雑さに置いていかれる感覚がありました。そんなとき、この本に出てくるレヴィ=ストロースの視点に触れると、自分の前提そのものがずれていたのかもしれないな、と少し落ち着きました。 たとえば、先住民が語る制度や神話を、そのまま説明だと思って受け取ると迷子になるという話があります。彼ら自身も無意識の構造をなんとか言語化しようとしているだけで、そこを「本当の仕組み」だと決めつけてしまうと、世界の見方が浅くなる。仕事でも似たことがあって、人の説明や表面の言葉を“そのまま真実”として扱うと、大事な背景を見落とすんですよね。 また、仏教や禅画と構造主義が通じるという指摘も、個人的には救われました。対立や因果をはっきりさせたくなるときこそ、世界はそんな単純じゃないし、美と醜、生と死さえも固定されないという視点がある。判断できなくなるのではなく、判断の前にある地層をいったん見る余裕が生まれます。 文化論や思想に興味がある人だけでなく、「自分の認識のクセを静かに見直したい人」に刺さる本だと思います。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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