
光と影のTSMC誘致 (かや書房)
深田萌絵
かや書房 / 2023-10-30
この本について
最近、「半導体が大事なのは分かるけど、本当にこの誘致って日本のためになってるのか?」みたいな、引っかかりを抱えている人が周りにも多いです。ニュースでは経済効果ばかり強調されるけれど、足元の水や環境、労働の話になると一気に情報が少なくなる。その温度差にモヤっとしている人は少なくないと思います。 『光と影のTSMC誘致』は、そのモヤモヤに正面から向き合う本でした。例えば、台湾で進む水不足の背景と、日本の地下水がどう見られているのかが具体的に語られていて、「ああ、これは単純な誘致競争じゃないんだな」と視点が変わりました。また、有明海という閉鎖性海域に排水が集中した場合のリスクを、過去の環境問題と照らしながら説明していて、普段は見落としがちな“地域の暮らしとの接点”が立体的に見えてきます。さらに、海外では労働組合や住民が声を上げている一方、日本ではなぜ声が届きにくいのかという対比も、自分ごととして考えさせられました。 経済効果だけでは判断しきれない事業に向き合うとき、「どの現実を知らずに話していたのか」が分かる一冊です。地元の未来や環境の話を、数字だけでなく具体的な生活感まで含めて考えたい人に刺さると思います。
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