
ぼくの家族はみんな誰かを殺してる (ハーパーBOOKS)
ベンジャミン・スティーヴンソン and 富永 和子
ハーパーコリンズ・ジャパン / 2024-07-25
この本について
仕事でも人間関係でも、「自分だけ状況を読み違えている気がする」と不安になることがあって、あとから振り返ってはモヤモヤしてしまうことがあります。正しいつもりで選んだ判断が、場の文脈の前ではあっけなく裏目に出たりして、なんとなく世界の“からくり”がつかめないまま過ごしてしまう感じです。 この本を読んでいると、その“からくり”の複雑さを物語として体験できます。外科医のソフィアへの軽口に見せかけて、実はその場に流れる緊張と信頼のバランスを描いていたり、死体のポーズをあえてジョンとヨーコになぞらえることで、状況の異様さを読者に突きつけてきたり、マクガフィン的な扱いで「思っていた主軸が実は主軸じゃない」という視点の転換を迫ってきたり。こういう細部の仕掛けに触れていると、自分が日常で気づけていない“前提”や“読み落とし”に少し敏感になれました。 派手なトリックで驚かせるというより、混線した家族の会話や、登場人物の微妙な温度差を拾い集めることで、状況の見え方がじわじわ変わっていくタイプのミステリです。空気を読み違えて悩みがちな人には、とくに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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