
学力は「ごめんなさい」にあらわれる (ちくまプリマー新書)
岸圭介
筑摩書房 / 20240808
この本について
人と話していて、「え、そこじゃないんだけど…」みたいなすれ違いが起きることってありますよね。相手は悪気がないのに、自分の不快感だけが置き去りになる感じ。子どもとの関わりでも、部下や後輩とのやり取りでも、同じようなモヤモヤが積み重なると、こちらの伝え方が悪いのか、相手の受け取り方が違うのか、よくわからなくなってきます。 この本を読んで印象的だったのは、「ことばの意味は経験で決まる」という当たり前なのに見過ごしがちな視点でした。同じ“ごめんなさい”でも、そこに込めている重みが人によって全然違う。だから軽く言われたように感じてムッとするのも、相手にとっては本当にそれが“標準”だったりします。こうした感覚のズレは、性格の問題ではなく、幼少期に身につけた“ことばの学び方”の結果だという説明には、なるほどと思わされました。 読み進めるほど、「叱り方ひとつ取っても、子どもは状況の軽重を経験として学んでいる」という話が、親子関係だけでなく大人同士のコミュニケーションにもそのままあてはまることに気づきます。「言ったこと」と「伝わったこと」は一致しない、というシンプルな事実を前提にした上で、ことばにどんな責任を持つか。それだけで場の空気の濁り方が変わる気がします。 相手と話すたびに“なんでこうズレるんだろう”と感じている人や、子どもとのやり取りに不安がある人には、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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