
東大ファッション論集中講義 (ちくまプリマー新書)
平芳裕子
筑摩書房 / 20240911
この本について
服って毎日着てるのに、自分がなにを基準に選んでいるのかよく分からなくなる時があります。流行に合わせているつもりが、実は見えない型にはまっていただけなんじゃないか…みたいな感覚です。そういうモヤモヤをそのまま抱えて読むと、この本は「自分の身体とファッションの距離」を少し立体的に見せてくれました。 印象的だったのは、まず“身体の不安や脆さがファッションを形づくってきた”という視点です。解放を目指すと言いながら別の形で締め付けが生まれる矛盾を、歴史やアートの変化と重ねて説明してくれるので、自分がなぜ特定のシルエットに惹かれたり、逆に苦しく感じたりするのかが言語化されていきます。また、ミュージアムに置かれた服が「着るもの」から「見るもの」に変わる話は、日々のコーデをどう扱っているのかを問い返されているようでした。流行の即時性やデジタル加工の話も、ただ批評する以上に、自分がどんなイメージを内面化しているのかを静かに突きつけてきます。 ファッションの好き嫌いとは別に、「知らないうちに何に縛られていたのか」を整理したい人には刺さると思います。読んでいる間ずっと、自分のクローゼットの景色が少し違って見える本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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