
難しい本を読むためには (ちくまプリマー新書)
山口尚
筑摩書房 / 20220808
この本について
難しい本を前にすると、最初の数ページで「結局、何が言いたいんだろう…」と迷子になることがよくあります。読書会でも話が横にそれていき、結局テキストそのものに戻れないまま終わることがあって、読むこと自体の筋道がわからなくなるんですよね。僕も長いあいだ、理解できないのは自分の頭が悪いからだと勘違いしていました。 『難しい本を読むためには』が助けてくれたのは、「読み方そのもの」を地に足のついた形で示してくれた点です。とくに《全体と部分を行き来する》読み方は、抽象的な本を読むときの焦りをかなり減らしてくれました。全体像をつかめていない不安のまま読み進めず、必要なところで立ち止まり、また全体に戻る。その往復を許すだけで、意味の取り違えがぐっと減ります。また、書き手の主張を「自分の中に居場所としてつくる」という視点も大きかったです。他人の主張をただ追いかけるのではなく、どこが自分に関係するのかを探すことで、読書が他人事で終わらなくなります。 テキストから離れての空中戦ではなく、文章そのものの論理から筋を拾い直す姿勢も、この本が何度も繰り返し教えてくれるところです。難しい本を読むたびに挫折してしまう人や、古典を前にすると腰が引けてしまう人にはかなり刺さると思います。読めるようになることが目的というより、読みながら自分が変わっていく過程にそっと寄り添ってくれる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
読書の順序
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