
エスノグラフィ入門 (ちくま新書)
石岡丈昇
筑摩書房 / 20240911
この本について
日々、人の話を聞いたり、何かを調べたりしても「結局、自分は何を見ているんだろう…」とモヤッとすることがあります。メモも取るけど、ただの記録で終わってしまって、あとで読み返しても理解が深まっている感じがしない。僕自身もずっとその悩みを抱えていました。 『エスノグラフィ入門』を読むと、そのモヤモヤの正体が少し言語化されます。著者は、書くこと自体が理解を深めるプロセスだと言い切ります。考えがまとまったから書くのではなく、書くからまとまっていく。さらに、「自分の色メガネ」を意識化しないと、見えているつもりのものが全然見えていない、という指摘も刺さりました。調査に限らず、仕事で人の話を聞く場面でも同じことが起きている気がします。 もう一つ印象的だったのは、派手な出来事ではなく、日常のディテールを丁寧に拾い続ける姿勢です。食事の順番や、どこに置かれたテーブルなのかといった機微の積み重ねが、人の生活の「本当の形」を照らす。これは調査者だけでなく、相手の背景を理解したいと思う人すべてに役立つ視点だと思います。 観察や対話が多い仕事をしていて「うまく掴めない感覚」を抱えたままの人には、かなりしっくりくるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
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