
一遍踊って死んでみな (文芸社文庫)
白蔵 盈太
文芸社 / 2024-12-06
この本について
仕事でも生活でも、「自分の選んだ道はこれで合っているのか」と立ち止まる瞬間ってありますよね。頑張りたい気持ちと、もう疲れたという気持ちが同時に湧いてきて、どちらが本音なのか自分でもわからなくなることがあります。逃げたいのか、踏ん張りたいのか、その境目があいまいになるあの感じです。 この本の面白いところは、鎌倉時代の僧たちの生々しい葛藤を描きながら、こちらの迷いにも不思議と手を伸ばしてくるところです。寺に逃げ込むことが「死ぬ」扱いだった時代の切迫感や、相手をラップのように打ち負かす和歌の応酬、古いものを壊してでも新しい道を作ろうとする覚悟。それらが全部、現代の私たちが抱えるジリジリした不安や迷いにリンクしてきます。特に、心を折りにくる「逆魔」と、やさしい言葉で引き留める「順魔」の説明は、自分が何に負けそうになっているのかを静かに照らしてくれる感じがしました。 最終的には、「南無阿弥陀仏でいいんだよ」というシンプルすぎる言葉に行き着くんですが、そこに逃げではなく覚悟のようなものがにじんでいて、こちらまで肩の力が抜けます。自分の弱さをごまかさず、生々しいまま向き合おうとする人の姿が描かれているからこそ、読み終わったあとに変な元気が残るんですよね。 迷ったままでも前に進みたい人に刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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