
新中国経済大全 資本主義と社会主義を超えて (日本経済新聞出版)
ジン・クーユー、西川美樹、梶谷懐
日経BP / 2024-12-16
この本について
中国のニュースを見ていて、「結局いまの中国ってどこへ向かっているんだろう」とモヤモヤすることがよくあります。崩壊するとも言われるし、強すぎるとも言われる。数字だけ追っても、どう判断していいか自分の中で整理できないまま時間だけが過ぎていく感じがあります。 この本が面白いのは、中国を美化も批判もしないまま、現場を知る経済学者が「実際に何が起きているのか」を淡々と描いているところです。たとえばパナソニックやコカ・コーラが最初に入ってきた時代の話から、なぜ外資が成功したり撤退したりしたのかを具体的にたどれるので、歴史の線がつながっていきます。また、「中国の経済モデルは失速している」というよくある決めつけに対しても、単純化を避けて、政策と民間の動きを別々に見ていく視点が得られます。読み進めるうちに、ニュースの断片に振り回されていた自分の思考が、少しずつ静かに整理されていく感じがありました。 中国を擁護したい人にも批判したい人にも寄らず、「もう少し複雑な現実をちゃんと見たい」という人に刺さる本だと思います。西側の価値観だけでは読み解けない部分に触れることで、国際ニュースの見え方が一段階変わるはずです。
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